こんにちは、薬剤師の沢目です。

今回は「リンゼス」についての勉強会です。

 

リンゼス(一般名:リナクロチド)は2017年に発売された下剤です。

下剤と言えば、便を柔らかくする作用と腸管を刺激して排便を促す作用があります。

リンゼスは従来の下剤と作用機序が異なり、腸管のグアニル酸シクラーゼC受容体に作用して、腸管に水分を分泌させて便を柔らかくし、腸管の動きを活性化させます。また、痛覚過敏改善作用があるため、腹痛や腹部不快感を改善します。

 

さらにリンゼスには2つの特徴があります。

まず、服用タイミングが【食前】

これは食後よりも食前に服用した方が副作用が少ないといデータが報告されているからです。

 

次に【副作用が少ない】

少ないとは言っても下剤なので効きすぎると下痢などの副作用が現れることがありますが、リンゼスは体内で吸収されずに腸管の表面で作用し、アミノ酸に代謝され糞便で排泄されます。なので肝・腎に影響を与えることはほぼありません。

 

リンゼスの適応は現時点では「便秘型過敏性腸症候群」だけです。一般的な便秘には適応がありませんが、便秘症への適応を申請中とのことなので近い将来、慢性便秘症に対しても期待できます。